5 私たちの生活とツバメ

Q39 燕尾服はツバメと関係ありますか。  

A39 燕尾服とは、洋装の男子礼服のことです。上衣の後部下方が割れ、ツバメの尾のような形をしているので燕尾服と云われています。

   

Q40 ツバメはなぜ益鳥といわれるのですか。

A40 益鳥とは、作物や樹木の害虫を捕食するために、直接間接に人間に益するとみなされる鳥類(広辞苑)のことです。ツバメは、農作物の生育上一番大切な時期に渡ってきて、大量に発生するガ、ウンカ、ユスリカ、シロアリなど人間や作物に害を与える昆虫を1日に数百匹捕って食べています。人間の近くに巣を作り、その回りの農耕地の害虫を飛びながら捕ってくれるツバメは、益鳥の代表として大切にされてきました。

 (「野生鳥類の保護」 日本鳥類保護連盟)

Q41 「ツバメ」に関する言い伝えには、どんなものがあるのだろうか。

A41

「ツバメ」が巣をかける家は縁起が良い。(千葉、新潟、愛媛、宮崎など) 「ツバメ」が巣をかける家は吉事がある。(茨城、愛知、香川)
「ツバメ」が巣をかける家は病人が出ない。(栃木、千葉)
「ツバメ」が三度巣をかけると千万長者になる。(愛知)
「ツバメ」の巣が多いほど、その家は繁昌する。(栃木)
「ツバメ」が家の中や座敷に巣をかけると最高にめでたい。(宮城、石川、福岡など)
「ツバメ」が自在カギに巣をかけると金持ちになる。(長野)
「ツバメ」は衰える家には巣をつくらない。(山形)
「ツバメ」は火事を出す家には巣づくりしない。(秋田、山形、愛知、山口など)
「ツバメ」は田の神様を負うてくる。(広島)
「ツバメ」が家の軒に巣をかけると豊作。かけぬと不作。(長野)
・福島県耶麻郡では「ツバメ」が巣をつくるとアズキ飯を炊いて祝った。
・新潟県南魚沼郡では「ツバメ」は大神宮様のお使い、つまり穀神のお使いだと考えられていた。(以上「鳥のことわざウォッチング」)
「ツバメ」が低く飛ぶと雨。 
「ツバメ」が高く飛ぶと晴。(雨が降る前は水面近くを多くの昆虫が飛んでいるからだろう。)
「ツバメ」が巣をつくる家は縁起が良い。
「ツバメ」の巣が多いほど繁昌する。(実は「ツバメ」の方が人の出入りの多い家を選んでいる。)
「ツバメ」が巣をつくった家は火事にならない。
「ツバメ」が巣をつくらなくなったら火事に気をつけろ。
「ツバメ」を殺すと火事になる。

(以上 あすなろう書房「ツバメのなかまたち」) 

 

Q42 ツバメの飛ぶ高さで天気予報が出来ると聞いたが本当ですか。

A42 「ツバメが低く飛ぶと雨」、これは日本の各地で聞かれる言い伝えです。そういえば、ツバメは、よく池の上などを水面すれすれに飛んでいることがあります。おそらく雨が降る前、水面近くを多く飛んでいる昆虫を捕らえているツバメを見てこんな言い伝えが生まれたのではないでしょうか。「ツバメが高く飛ぶと晴」という地方もあります。晴れている日は確かに雨の日よりツバメが高く飛んでいるような感じがします。

(あすなろう書房 みる野鳥記2「ツバメのなかまたち」)

 

Q43 中国料理に出てくるツバメの巣は、日本のツバメと関係がありますか。

A43 関係はありません。中華料理に用いられるツバメの巣は、インド、インドネシア、マレー半島などの海に近い高い岩場に作られるアナツバメの巣を乾燥させたものです。アナツバメは大きいもので全長17cm、小型のもので10cm程度。アマツバメ目アマツバメ科アナツバメ属の鳥の総称で、日本のツバメである、スズメ目ツバメ科とは系統が異なります。

《参考》

ツバメ類が泥で巣を作るのに対しアマツバメ科の鳥は泥をまったく使わず羽根などを唾液で固めて巣を作ります。特に数種のアナツバメは唾液だけで巣を作ります。この巣は乾くと白色半透明の寒天質となり中国料理のなかでも高級なスープの材料として用いられます。
海燕(ウミツバメ)の巣と記されたものは誤り。ウミツバメはミズナギドリ目ウミツバメ科の鳥の総称で小型の海鳥。陸生のツバメに姿や飛び方が似ているところから名がついたとされる。外洋の無人島の地面に横穴を掘り繁殖します。

 ( 世界大百科辞典 平凡社 日本大百科全書 小学館)